小田嶋隆のコラムの切り口

小田嶋隆のコラムの切り口

2021年7月24日

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「小田嶋隆のコラムの切り口」小田嶋隆 ミシマ社

この処、小田嶋隆を立て続けに読んでいる。と言っても、この人のことはあまり知らない。かつて「噂の真相」で名前を見た人だ、という印象くらいである。でもまあ、コラムの切り口は結構面白い。と思っていたら、そのまんまの本が出た。

この人、いろんな雑誌を休刊させているのね。というと人聞きが悪いか。ちょうど、彼に依頼が出るようになった時期が、雑誌の終末期に該当して、連載を持つとすぐにその雑誌が休刊になってしまうことの連続。笑っちゃうわね。やっと収入が安定したと思ったら路頭に迷う、の繰り返し。「噂の真相」「asahiパソコン」「論座」「一冊の本」。たしかに影の薄い雑誌だわ(笑)。あとは、「日経ビジネス」に結構長い連載。

この方、とある優良メーカーに就職したのに半年足らずで退職して、あとはアルバイトしながら、家でテレビ見てたという。お母さんが、全然文句言わずに、あんたとテレビ見てると楽しいわ、みたいなことを言ってたらしい。平和だわねえ。

印象に残ったのは、この本の墓のタモリ論。タモリは、登場したときから半端者で、その後、国民的大スターになっても、未だ半端者で、半端な生き方の自分に勇気をくれた、と言っている。多分、それは正しい。実はタモリは、いろいろな人に勇気を与える存在なのだ。ずっと。今までも、これからも、だ。

2020/11/2