札幌・利尻・礼文旅行記4

札幌・利尻・礼文旅行記4

2021年7月24日

翌朝、目覚めると霧雨である。外が煙って、海も遠くが見渡せない。船が港に泊まったまま、どうやら漁もお休みらしい。

朝食は昆布の粥だということだったが、これにも雲丹が乗っていた。何にでも雲丹は入れちゃうのね。新鮮な魚介たっぷりの朝食である。

今日はレブンウスユキソウの群生地に行く予定だったが、こんな天気だし、体も疲れているし、もっと楽な観光に切り替えようか、と三人で相談する。林道を歩いて群生地まで行くのだが、林道の入口までの道のりが大変そうで、タクシーが捕まらないとどうしようもないものね。

ロビーで相談してみると、いや、ウスユキソウの群生地入ったほうがいいと思いますよ、ぜひ見てください、と強くプッシュされる。でも、林道までが遠く て・・・というと路線バスに乗ればいいじゃないですか、と言われる。しかし、林道入口のバス停はない。バス停は、山のかなり上の方、あるいは下の方にしか 無いので、どちらで降りてもかなり歩かねばならない。というと、「いや、運転手に林道入口でおろしてくれといえばいいんですよ」と事もなげに言われる。 え?そんなことできるの?「乗るときに、林道を歩きたいんで入り口でおろしてくださいって言えば、バス停はないんですけど、止めてくれます、大丈夫で す。」ですって。そうなのか!!!!

チェックアウトをして、バス停で待っていると、宿の女将が出てきて、挨拶をしてくれる。ウスユキソウ群生地に行くんです、というと、もっとお天気なら良 かったですねえ、と言われる。こんな天気だと飛行機が飛ばないことってありますかね、と夫が聞くと、いや大丈夫ですよ、たいてい飛びます。条件付き飛行っ てことはありますけど、飛んじゃえば大丈夫なんですよ、と。そうなのか、と安心する。

バスが来たので、林道でおろしてください、というと、はい、とあっさりいってもらえる。結構な数の観光客が乗っていて、驚いたことに、彼らのほとんどが、我々と同じ林道入口でぞろぞろと降りる。なら、バス停作ればいいのにねえ。

霧が立ち込めて、昨日とはまったく違った風景だ。遠くが全然見えない。海も見えない。昨日は遠く利尻島の利尻富士まで見えていたのに。

前に数人、後ろに数人くらいがいるだけの静かな林道を歩き出す。霞んだ中に、段々畑のようなものが見えてくる。お茶畑みたいに見える。でも、こんな北にお茶なんてあるのかなあ。

静かな林道を歩いて行くと、ガイドツアーらしい人たちがいて、いろいろ説明をしている。お茶のように見えたものは、どうやら植林らしい。礼文島は昔、大きな山火事があって森林がかなり燃えてしまった。その後、植林を重ねているが、寒さのあまりなかなか根付かない、育たないのだそうだ。

花はあちこちに咲いているが、霧に紛れて近づかないとよく見えない。

静かな道をずっと歩いて行く。天気が良ければきっと両側に海が見えて素晴らしい景色なんだろうな、と思う。霧に閉じ込められると驚くほど閉塞的な感覚になる。

レブンウスユキソウの群生地についた。でも、天気のせいでこんな感じ。本当はもっとわーっと遠くまで見渡せて、花もいっぱい見えるんだろうに。

林道を戻り、山道を降りる。本当はウスユキソウ群生地の先も道は続いていて、八時間書けて礼文島を縦断するトレッキングコースがある。時間と天気と体力があったら歩きたかったなあ。いつかまた来れるだろうか。

海辺にもどって、お昼を食べることにする。漁協がやっている海鮮のお店があるらしいというので、そこまで頑張って歩く。一階が食料品などを並べたスーパーのようになっていて、二階が食堂になっている「かふか」という、朝起きたら虫になっちゃいそうな名前の店だ。

ここが良かったんだなあ。昨日食べ損なったホッケのちゃんちゃん焼き。炭火でじっくり焼いてとろとろに柔らかくなった身に味噌をかけて、ざざっと混ぜて食 べるとほっぺたが落ちる!!ほっけのぬか漬けというのが、また、半生で、マヨネーズと七味をつけて食べると美味いのなんのって!!ビールが飲みたい!!と 思ったが、ここで飲むと午後の旅程がダメになるので我慢する。ううう・・・ここの人たちは、毎日こんなうまいものが食べられるのか。すごいなあ。
午後1時半のフェリーで利尻島にもどる。天気が悪く、波も高い。利尻に到着してすぐに観光バスに乗る。礼文島から来た客を乗せるためのスケジュールになっているバスだ。

利尻島もぐるっと一周したいので、観光バスを予約してあったのだ。利尻は礼文と違って外周すべてに道路があるので一周できる。一昨日止まっていた雲丹御殿方面に向かって走りだす。

霧がかかって、一昨日はあんなに存在感のあった利尻富士がまったく見えない。ガイドさんがしきりに気の毒がってくれる。と言うか、利尻富士が見えないと観光の意味も半減する。ここから観る利尻富士、そこから見る利尻富士、と言う比べっここそが醍醐味なのだ。ああ、残念。

本来なら見事な利尻富士が見えるはずのオタトマリ沼。銘菓「白い恋人」のパッケージはここがモデルなんだそうだ。

仙法志御崎公園。花が美しく咲いている。


沓掛みさき公園。海は荒れまくっている。

途中、雨は上がったが霧は晴れず、それでも利尻島を一周してフェリーのりばにもどると宿の迎えが来ていた。きょうの宿は利尻マリンホテルである。

お風呂は温泉だ。出ると、甘露泉水と言う湧き水がロビーで飲めておいしい。夕食は例によってバフンウニとムラサキウニのお造り、焼きウニ、雲丹の茶碗蒸し、エビにホタテに毛ガニである。昆布を細切りにして煮付けたのも、なかなかうまい。

午前中の歩きと午後の雨の中の観光で体力を使い果たし、この夜もあっという間に眠ってしまった。

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2015/8/28