東京近郊スペクタクルさんぽ

東京近郊スペクタクルさんぽ

2021年7月24日

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「東京近郊スペクタクルさんぽ」宮田珠己 新潮社

著作が出たら即買い作家の一人、宮田珠己の本である。国内の地底湖やモノレール、彫刻、ジャングル、トンネル、砂漠などスペクタクルな散歩ができるところを訪ねて行ってはレポートしている。

宮田さんは変なものが好きである。変な場所を見つけていって、自分なりの変な視点からそれを見て、、おお、とか、うう、とか言う、それだけである。それだけなのだが、この人の散歩にはついて行ってみたくなる。なぜなら、こういう本を読んでからどこかへ出かけると、同じ風景が、ぜんぜん違うものに見えてきたり、今まで気にも止めなかった細部にとんでもない魅力を見つけたりするからである。

そうやって、人生の楽しみをじわじわと増やすきっかけの一つになるのが、宮田珠己なのである。

2018/11/8