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「父さんはどうしてヒトラーに投票したの？」
ディディエ・デニンクス エルくらぶ
「ベルリンは晴れているか」を思い出した。第二次世界大戦の前、ある家庭の父親がヒトラーに投票した。そこから終戦までのことが描かれている。悪いことは全てユダヤ人のせいにされ、ユダヤ人だけでなく、障害者やロマの人、老人や弱者が追いやられ、殺され、踏みにじられていった経過が、わかりやすく淡々と描かれている。誰もが同じ方向を向き、違うことを言おうとすると踏み潰される社会が描かれている。
これは、過去の物語ではない。いま、私たちの周りで、悪いことをすべてある種の人たちのせいにしようとしている人たちがいる。役に立たない、弱いものを排除しようとする人たちがいる。NOと言おうとすると、踏み潰されるような現状がある。
「なぜ、あの人に投票したの？」
それは、私たちにも突きつけられる質問である。
2019/10/1