17姫野カオルコ 集英社
「悪口と幸せ」以来の姫野カオルコである。2002年に刊行された本の一部加筆再編集による文庫だ。旅の本(物理的にも内容的にも軽くてどこで読みやめてもまた続きをすぐ読めるような本)を探しているときにKMGBの貸し棚で発見、購入した。KMGBでは私も旅の最中に読み終えた本をよく並べている。これもいずれ自分の棚に並べて、また他の誰かの手に渡っていく本かもしれない。
で、「よるねこ」である。題名がスッキリしていたのと、姫野カオルコだという二点だけで買ってしまったが、なんとこれはホラー小説集なのであった。そして私はホラーが嫌いである。苦手なのよ、怖いのは。でも、これはホラーなんだけどそんなに怖くない。というよりなんか不思議、なんか変、でも極めて日常的な物語だ。日常の中にぞっとすることってあるでしょう?何だったんだ、あれは、って思うこともあるでしょう?だけどそれが毎日同じことの繰り返しの中で埋もれてしまう。そんな感じ。
姫野カオルコの作品をいくつも読んだことがあるので、彼女の生育歴、家族歴をなんとなく知っている。私と似たところがある、と思う。子ども時代を振り返って思い返せば、当たり前だと思ってたけど、あれってホラーじゃん、みたいなことがいくつもある。実は恐ろしいことだったんだな、と後から気がつく。そのときはちょっと変だったり不思議だったりしただけなんだよな。だって子どもだったから。何が起きているのか、本当には理解していなかったから。
そんな感覚が、この作品に現れているのかも、とちょっと思った。そうじゃないのかもしれないけどね。
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