ホテル・ピーベリー

ホテル・ピーベリー

19 近藤史恵 双葉文庫

「カナリヤは眠れない」以来の近藤史恵である。2014年に書かれたものの文庫化。十年以上前なのね。

教師をやめた主人公、木崎がハワイ島を訪れる。仕事をやめてからずっとボーっとしているのを見かねた友人が、日本人のやっているホテルを紹介してくれたのだ。良いホテルだが、リピーターはお断り。最長で三ヶ月以上の滞在もお断り。だから、一回しかそこには泊まれない。友人は、一週間程度で移動してしまったという。良いホテルだったのでもう一回行ってみたいが、もう自分にはその資格はない。なのでお前、行ってみないか・・・?

空港に迎えに来たのは和美というホテルスタッフ。夫婦でホテルを運営しているが、夫は昼間は別の場所のカフェで働いている。桑島という同じ飛行機に乗っていた女性も今日からの滞在だ。ホテルには三人の先客がいたが、一人は夜中しか現れない、星専門の写真家。そこからハワイ島の生活が始まる。

これは、ハワイで心が洗われる物語かな、なんて思ってたんだが、ぐいっと違う方向に向かう。意外な展開だ。木崎の、学校をやめた理由や、桑島のハワイに来た理由なども徐々に明らかになる。そうか、ミステリだったのか。