151 マーガレット・アトウッド原作 ルネー・ノールト作画 早川書房
原作は世界的ベストセラーになり、アーサー・C・クラーク賞とカナダ総督文学賞受賞。作画はカナダのグラフィックノベリスト。実は図書館に原書を予約したつもりだったのだが、間違ってグラフィックノベル版を頼んでしまったらしい。でもこれ、原書を読んだら、相当陰鬱で重い小説だったと思う。グラフィック版ももちろん重くて苦しいが、それでも色合いが美しいし、わかりやすいから、読みやすくはあった。とはいえ、とんでもないディストピア物語であることは間違いない。
司令官の子どもを産むためだけの存在、侍女たちの棲む宿舎。大勢いる彼女たちは同じ赤い服を着て、互いの会話も禁じられ、健康のための体操や呼吸法だけにいそしむ。司令官の妻は外出もせず、家で伝統的手芸を行い、夫の性行為において侍女を膝の上に載せる役割を担う。逆らうものは壁につるされる。
女性が産む道具であることを根源化したような作品。徹底的な思想統制と支配と抑圧。これは別の世界のうその物語なのだけれど、なんだかいま日本で起きていることはこんな場所に向かっているんじゃないかとだんだん思えてきて怖くなる。スパイ防止法も、夫婦別姓をいつまでも認めないことも、この物語の世界と同じような気がする。
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