傘寿まり子

傘寿まり子

2021年7月24日

11  12 13「傘寿まり子6~8」 おざわゆき

講談社

読み始めたからには続きが読みたい、と思って借りてきた。TSUTAYAにあるだけ借りてきたけれど、まだ完結してなかったのね。残念。前にも書いたとおり、まり子さんは八十歳の女流小説家。その彼女が、ウェブ雑誌を立ち上げて、一度筆を折った老小説家にもう一度筆を取らせる過程で、ゴミ屋敷を綺麗にしたり、シャッター通りと化した商店街を立ち直らせようと奮闘したり。現代の様々な社会問題を取り上げる意欲はなかなかである。

なかなかではあるが、八十歳、こんなにバイタリティあるかね。前も書いたけどさ。三浦一郎ならいざしらず、座業に長く専念していた老女が、毎日走り回って、ゴミ屋敷をせっせと掃除して、ゴミの下敷きになったり、徹夜したりなんてできるかね。そう思っちゃうのは、一人暮らしになった八十オーバーの母が気にかかる私だからなのかね。うちの八十オーバーは、午前中に生協の注文書を書いただけで疲れて、午後は昼寝しちゃう。ちょっと重いものを持ったら、背骨が圧迫骨折しちゃう。で、これ、別に全然珍しくない八十代だからね。この漫画にでてくる老人、七十代前半ならまだしも、ちょっと年齢設定が高すぎやしませんかね。

まあ、漫画だからね。うるさいこと言ってもしかたない。漫画としてみれば、ストーリーは面白いし、老人を主人公にすえるというだけで、勇気があるというか良い目の付け所だなあ、とは思う。あまりに都合が良すぎる展開も、漫画だからなあ。って、いちいち言わなきゃならない、そういう漫画ではあると思う。思うけれど、最後まで読みたいとは思ったね。

2019/4/9