168 万城目学 文芸春秋
「六月のぶりぶりぎっちょう」に引き続いての万城目学氏。夫が借りてきたのを回してもらった。なんとこれは直木賞受賞作なのだそうだ。賞にあんまり関心がないから、いつも読んだ後に気が付く私。そうだったのか。
「十二月の都大路上下ル」と表題作の二作が収められた本。どちらも面白かった。表題作は終戦記念日前後に御所グラウンドで大学教授が率いるチームが野球をする話。メンバーが足りないと思っても、いつの間にか集まっちゃうというところがポイント。そこに集うのは、お盆だけあっていろんな人なんだなあ。なんだかしみじみしちゃう。みんな、野球がしたかったんだ、という言葉がいろんな意味を持つ物語だ。
本当に、私たちは忘れてはいけないよ。野球が楽しめること、駅伝を走れること、のんびりと夏を過ごせること、生きていられること、平和であること。
万城目さんの小説は過去と現在が混在し、混ざり合っていくのが芸風なのだけれど、どんな時代もみんなそれぞれに一生懸命生きていたし、怒ったり笑ったり頑張ったり泣いたりしてた、人間って変わらないよな、とどこかで思わせてくれる。そして、生きることを大事にしたい、と思う。
よい小説だった。面白かった。
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