風の海 迷宮の岸 上・下 十二国記

風の海 迷宮の岸 上・下 十二国記

149 小野不由美 講談社X文庫

「図南の翼」に続いて読んでいる。これは未読であった。

王の物語ではなく、麒麟、泰麒の物語。まだ十歳の男の子が、実は麒麟であったというお話。探し出されて蓬山に連れてこられ、そこで麒麟として成長していく。祖母に疎まれ、弟に嫌われ、父に叱られ、そのせいで母が泣く生活を送っていた彼は、実はその家の子ではなく、麒麟であった。自分は麒麟として未熟だという思いにとらわれて自信をもてない泰麒がどう成長していくかという物語。

どうもこの十二国記シリーズは、居場所をもたない少年少女がいかにして自己を確立し、居場所を見つけていくかというテーマが潜んでいるらしい。実はこの家の子じゃなくて、別の世界の王であったり大切な役割を果たす存在であったのだ!という発見は、かなりわくわくする。そういえば私も家の中に居場所がないような気持を持っていた子どもの一人であったから、子ども時代に十二国記に出会っていたら夢中になったかもしれない。

今回は「月の影 影の海」ほどに酷い目には合わないで済んだので、苦労せずに読めた。「図南の翼」ほどまえむきではないのでうじうじせねばならなかったが、それがこの物語の要なのでね。なるほど、このシリーズの惹きつけ方がわかってきたぞ。まだ先を読まねば。