97 マリー・ハムズン 岩波少年文庫
「小さい牛追い」の続編である。昨日、図書館に予約を入れたら、もう手に入った。地方都市の図書館はありがたいなあ。
前作は輝く夏であったが、今度は冬である。ノルウェーの冬は厳しい。子どもたちはスキーで学校に通わねばならない。長男のオーラはひとりで大きい学校に行くようになった。牛追いでためたお金で読みたい本を買ったが、家族へのクリスマスプレゼントのために一冊だけだった。でも、両親が彼に読みたい本をプレゼントしてくれた。本を欲しい子どもの気持ちはよくわかる。私も本が欲しい子であったが、年に一冊か二冊しか買ってもらえなかった。図書館という場所を知ったとき、ここは天国だと思ったのを覚えている。
次男のエイナールの小さい学校には新しい先生が来て、エイナールと友達のヤコブの二人にみっちりと字を教える。ふうふう言いながら一冊なんとかこなしても、また同じことを繰り返さねばならない。それはとてもつらいことなのだが、この物語が終わる頃に、彼らはちゃんとその本を学び終える。辛抱強くわかるまで教える事の意味が伝わる話である。
小さな妹のマルタは肺炎にかかる。マルタが死んでしまうのではないかと家族は悲しみ、苦しむ。どんなご馳走を与えられても「明日食べられるかも」というマルタ。私も小さい頃、病気をすると同じようだったことを思い出す。家族がすごく大事にしてくれるのだけど、それを全然生かせなくて悔しい感覚まで思い出す。
夏に出会ったインゲルという少女。オーラは彼女が気になって仕方がない。インゲルは意地の悪いおばさんの家でこき使われている。オーラはクリスマスカードを出し、返事をもらう。どうしたらインゲルが逃げ出せるかを真剣に考えるオーラ。さあ、インゲルはどうなるのか・・・。
子どもたちは結構な危険を冒すし、殴り合う。兄弟も激烈にケンカしあう。ろくなおもちゃもないのにガラクタを宝物にしている。古い物語だと思うけれど、それがなにかとても懐かしい。今の子どもたちはこれを読んで何を感じるのだろうか。北欧の田舎で牛を育てて暮らす少年たちの物語をどうやって自分に重ねていくのだろうか。それが知りたい。
