猫の刻参り 三島屋変調百物語拾之続

猫の刻参り 三島屋変調百物語拾之続

3 宮部みゆき 新潮社

「青瓜不動」の続編である。毎度おなじみ、三島屋の百物語。語り手はひとり、聞き手も一人。最初は三島屋の主人、伊兵衛の姪、おちかが聞き手だったが、今は次男の富次郎がその役目を継いでいる。聞いた話はきれいに聞き捨てる。そのよすがに、話ごとに墨絵を描くようになった。絵の好きな富次郎は、今回、師匠について絵師を目指すようになる。それもまたどのように展開していくかは次の巻次第なのだが。

語りは物の怪や妖怪、残虐な悪人、悪女も登場するが、暖かい人情も愛情もあふれている。怖い話が多いけれど、最後にはどこかほっとする物語となることが多い。百物語を聞きつつ、現実の三島屋にも様々な出来事が起き、それぞれが人生の岐路にも立たされる。富次郎も、女中のお勝も、兄の伊一郎も、母親のお民も、みな良い人たちだ。誰のことも好きになるけれど、すべてが順調にいくわけではない。まあ、人生ってそういうものだわな。

分厚い本であった。予約が多いので早めの返却にご協力を、というシールが裏に貼られている図書館本。夫が読み終えた後、迫りくる返却期限を横目に必死で読んだ。これを逃したら、次に手に入るのは何カ月後かもしれないから。間に合ってよかった、読めて良かった。これから返却ポストに返しに行く(笑)。