38 今野敏 新潮社
このシリーズ、前に読んだのが8巻だったらしいので何冊か読み飛ばしているぞ。ま、いっか。
竜崎伸也はどうやら刑事部長になっているらしい。相変わらず世渡りや出世には興味がない。今回は鎌倉在住の何代にもわたる政治家一家の洋館のボヤと代議士である「若」と呼ばれる息子のスキャンダルが題材である。「殿」と呼ばれる大御所政治家に、どうやら竜崎は気に入られたらしい。
ジャーナリストを自称するユーチューバーやサイバー犯罪捜査の専門職など今どきっぽい人物が登場するが、どこか上っ面な感じがする。息子政治家とその秘書の軽薄さもステレオタイプ。竜崎の娘と息子も人間味があまりなく、引き込まれる要素が薄い。そもそも竜崎は人間味があまりないというところにむしろキャラクターとしての面白みがあったのだが、それは周囲の人間が人間臭いからこそ引き立つわけであって、出てくる人間が次々と書き割りのような無表情さだとげんなりしてくる。
というわけで、このシリーズにしてはあまり面白くなかった。
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