マラガ・ジブラルタル・マドリード・リスボン・ヘルシンキの旅その2

マラガ・ジブラルタル・マドリード・リスボン・ヘルシンキの旅その2

2026年3月30日

翌日もジブラルタルは嵐。夫の体調は安定しているが、あまりたくさんは食べられない。今日から始まるギャモン大会のエントリーフィーを引き出しにホテルのすぐ近くのATMに行きたいが、それもためらうほどの激しい雨。ちなみに夫の傘は国境越えで崩壊してしまった。私の傘は、前に函館の嵐で壊れてしまった教訓から、登山道具屋の軽くてがっちりした傘を買ってあったので無事であった。

ジブラルタルの後はポルトガルのポルトに移動、その後リスボンに行く予定だったが、ポルトガルの天気予報を見ると、歴史的災害級の低気圧「クリスティーン」が来ている。「命を守るために行動しましょう」なんて退避勧告が出ているぞ!しかも、この天候はしばらく続くらしい。そういえば、探検家、高野秀行氏がAIに相談しながらキプロスを旅したという本を読んだばかりだった。さっそく、タブレットのAIに現状を相談すると、ポルトに行くのは無理だと言われる。飛行機も欠航するだろうし、行っても嵐で観光なんてできないよ、だって。どうするのよ、今後の旅程。

夫婦で会議。この際、ギャモンの大会が終わり次第、ヘルシンキに戻ってJALに相談して早めの便に振り替えてもらって日本に帰っちゃおうか、と夫。でも、すぐに振替便があるかどうかわからないし、ヘルシンキは寒い。待っている間、ずっとホテルにこもってるのも嫌だし、せっかく来たのにもう帰るの?一方、私は、この際、パリに飛んで美術館巡りをしてモン・サン・ミシェルに行っちゃうなんてどう?と能天気な案を出す。何の準備もしていない状態でいきなりパリやモン・サン・ミシェルに行くのはさすがに無理、と夫に却下される。AIも参照して協議。結局、大会終了後、すぐにポルトガルの古都ポルトに行くはずだった予定は諦めて、飛行機の乗り換えだけだったはずのマドリードにとどまろうという話になる。ポルトの代わりにマドリードに三泊も滞在すれば、さすがに嵐も去るだろうし、そしたらその後は予定通りにリスボンに移動したらどうか。それならキャンセルも最小限で済む。今回は夫がPCを持ってきてくれたので助かった。夫はPCを駆使して、飛行機や宿を手配してくれた。同じことをスマホでやろうとすると難儀なんだよなあ。

ところで、ちょうどこの時期に日本では選挙があった。旅の手配をした時には気配もなかったのに、いきなり決まったあの選挙。本来なら、どうしても投票したい大事な選挙だったのだが、今更予定は変えられない。自分が参加もしないくせに偉そうに口出しをする権利もない、と最初は思っていたが、どうにもいたたまれず、SNSで、みなさん投票よろしく、なんて呼び掛けたりもした。結果は。ああ。私たちは絶望の国に帰国することになる。言いたいことはたくさんあるが、ここはひとまず旅日記である。

さて、肝心のギャモンの試合は、勝てない。ダブルスに私も出たが、全然勝てない。天気も悪い、体調も悪い、サイコロの出目も悪い。あーあ。しかも、どうでもいいことだが、持ってきた私のズボンのファスナーまで壊れかけている。何とか直したけど、下まで下ろしちゃうとまた外れるので、そーっと途中で止めて脱ぎ履きしなければならない。そして、長そでのカットソーに穴まで開いてしまう。次々と襲い掛かる不幸(泣)。

それでも数日後、天気が小康状態になったので、名所ジブラルタルロックが見える場所までお散歩する。夫は新しい折り畳み傘を買う。前来たときは「SUPERDRY 極度乾燥なさい」という名前の店があって面白かったのだが、今回は違う名前の店しかなかった。

誰かがあれはおかしいよと教えてしまったのかなあ。途中、のどが渇いたので抹茶カフェに入る。水っぽい抹茶オレであった。そう言えば今回の旅ではあちこちで抹茶を見かけた。ブームなのね。抹茶を作るキッチンはこんな感じだった。

ところで、ジブラルタルからマドリードに行くにはまずマラガ空港に行かねばならない。この間みたいに国境を越えられないと困るので、あらかじめホテルのフロントに相談すると、プライベートトランスファーを手配してくれるというが、すっごいお値段を提示される。バックギャモン大会主催者に相談すると、その半額で手配してくれるって。で、そっちにお願いしたんだが、お金を払っただけで領収書が出るわけでもなく、誰が送ってくれるわかるわけでもなく、なんか不安。前日の夜にドライバーから連絡が来るよ、と言われたけど、電話だとマラガでやらかしたのと同じ失敗がありそうだなあ。とぐずぐず言っていたら、WhatsAppでテキストで連絡してもらえるよと言われる。WhatsAppは、Lineみたいなアプリ。さっそくスマホにダウンロードする。大丈夫かなあ。

さて、五日間にわたって開催されたバックギャモン・ジブラルタル・オープンは無事に閉幕。よその国の知らんお人が勝ったのであんまり感激もなく、我々は自分たちの敗北にうなだれるばかりである。ただ、その日の夕方にプライベートトランスファーのドライバーからWhatsAppに連絡が入ったのでほっとする。
「やあ元気かい?僕はソロモンだよ、明日の朝九時に君たちを迎えに行くからね。マラガ空港まで送っていくよ。じゃ、明日ね!」だって。

翌朝、チェックアウトを済ませてフロントで待つ。外はまた嵐のようなひどい雨だ。九時になってもソロモンが来ない。「入り口で待ってるんだけど、まだ?」とテキストを送ると音声が返ってきたが、よく聞こえない。テキストをもう一回送る。「すぐ近くまで来てるんだけど、渋滞がひどい、ちょっと待って」だと。何度かやり取りして、結局、20分遅れで到着。あまりにひどい雨で渋滞しまくったそうだ。やれやれ、また何かトラブルに巻き込まれたのかとひやひやしたよ。

プライベートトランスファーなので、もし国境で何か聞かれたら、我々はバックギャモンの友達だってことにしてね、とソロモンに言われる。「ほんとは僕、チェスはするけどバックギャモンはしないんだよ。」だって。実際には国境ではパスポートをちらっと見せただけで何のお咎めもなかった。ただ、雨がすごくて、シャワーみたいな雨がたたきつける。「Crazy」とソロモンも言ったよ。こういう雨はCrazyっていうんだ、英語で。何度も学習するなあ。

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