マラガ・ジブラルタル・マドリード・リスボン・ヘルシンキの旅その1

マラガ・ジブラルタル・マドリード・リスボン・ヘルシンキの旅その1

一月末から二月初旬にかけて、バックギャモンのジブラルタル・オープン参加を中心に、ヨーロッパ各地を旅した。いやあ、今回の旅はひどかった。あまりにもひどかったので、なかなか旅行記を書く気になれなかったのだけど、忘れてしまうのも惜しいので、頑張って書く。

出発は1月25日。前日は羽田泊。朝8時出発、13時間半飛行機に乗ってヘルシンキに15時近くに到着。そのまま空港近くのホテルへ。前にも泊ったことがある宿なのでなんとなく安心である。

が、そこで夫が、ずいぶん前に治ったはずの、ちょっとした持病が再発し始めていると言い出す。動きまわるのに特に困難はないのだが、万が一悪化すると厄介なことになる。それに連動しておなかの具合もあまりよろしくないようだ。心配なのでアルコールは当分無しにしようと言い合い、夕食もホテル内で軽く済ませて早めに就寝。翌朝、早朝便でスペインのマラガへ飛ぶ。

マラガからは無理せずタクシーでホテルへ。とりあえず薬局をグーグルマップで検索。徒歩圏内にあることが分かったので、スマホの翻訳機能を使って夫のための薬を入手。一度宿へ戻って薬の箱を開けると、欲しかった薬とは違うことが判明。また薬屋へ行って事情を説明すると、ここにはないと言われる。近所の薬屋を紹介してもらって行くと、今はないが、四時には取り寄せられるというのでいったん退却。この日は朝も昼もどこで何を食べたかあんまり覚えていない。焦りと不安があったからだと思う。

天気は曇りがちで、時々パラパラと雨が降ってくる。出発直前に天気予報を見て、今回の旅程は雨続きらしいとわかってはいたが、なんだかなあ。とりあえず、歩く元気はあると夫が言うので、歩いてマラガ砦やピカソの生家を見学する。ようやくスペインに来たなあという感じがする。観光の帰りに例の薬屋によって、欲しかった薬をゲット。とりあえずホッとする。


マラガから明日の目的地ジブラルタルまではバスかタクシーしか選択肢がない。ジブラルタルは英国領で、いまEUに所属しておらず、国境審査の通過が必要となる。なので、タクシーやバスなどの公共交通機関では国境までしか行けない。宿は国境から徒歩15分程度の場所だが、プライベートトランスファーを頼むと宿まで直行してもらえることがわかっている。なので、チェックインの時、ホテルのフロントでプライベートトランスファーを手配してもらえないかとお願いしてあった。

部屋に戻ってくつろいでいると、フロントから電話。スペインなまりの英語はほぼスペイン語に聞こえる。言ってることの一割くらいしかわからない。が、トランスファーがどうしたこうしたで、確定してもいいか、と聞かれたので、OK、プリーズ、とお願いする。これが実は大失敗だとのちに判明する。

翌朝、迎えの車が来たので乗り込んだが、発車してから運転手がボーダー(国境)までしか行かないよ、という。タクシーは国境を越えられないんだ、知ってると思うけどさ、と。いやあ、だからプライベートトランスファーを頼んだんだけど…というと、いや、これはタクシーだよ、と言われる。昨日の電話は、プライベートトランスファーは無理だが、タクシーでもいいかね、という内容だったらしい。思い込みで適当に答えちゃった私が悪い。とほほ。車の進行につれて雨が激しく降ってくる。これは車のスピードがあるからで実際にはそれほど激しくはない、と夫が言うのだが、いやいやそんなことはないぞ、と私。マラガからジブラルタルまでは以前も車で移動したことがあるので、なんとなく見覚えのある道を行くのだが、景色が雨にかき消されるほどひどい降りだ。そして、国境。じゃあ、ここで降りてね、と言われてしぶしぶ降りると、ほらあ、ひどい雨風。タクシー乗降所で、最初は出入国管理事務所がみつからなくてうろうろしてしまう。休憩中のドライバーさんたちに、あっちだよと教えられて発見。国境は特に問題もなくスルーしたのだが、問題はそれよりもこの雨と風だ。

ジブラルタルは国境に入るとすぐ空港があって、その滑走路を通り抜けることになる。滑走路に遮断機があって、飛行機が来ると踏切で待機する仕組み。これはこれで面白いのだけれど、大風が吹いているときに、遮るものが何一つない滑走路を徒歩で横切るってどんな感じかみんな知ってる?我々はこの時に思い知った。風に煽られて、傘は吹っ飛ぶし、雨は垂直じゃなくて水平に吹き付けるし、全身びしょぬれになるし、息もできない。ひいいいい。本来なら徒歩15分のところ、30分くらいかけて、ようやくホテルに到着。ほかの泊り客もみんなズブズブに濡れてフロントでチェックインしている。順番を待ってる間にシャンペン飲む?とスタッフに言われたけど、それどころじゃないよー。宿泊手続きをしながら「このウエザーはCrazyだ、しかも金曜辺りまで続くかもよ」みたいなことをスタッフに言われる。そうか、こういう天気の時はCrazyを使うのか、と英語学習(笑)。

ここは、以前にも泊ったことがある。懐かしい。もとは大型客船だったのを港に係留してホテルにしている。少々古いが、居心地が良い場所だ。晴れていたら、ほんとうはこんなに素敵なヨットホテル。

近くにスーパーマーケットがあることも知っている。ランチ時だが、夫のおなかの調子が今一つなので、欧風レストランの大量料理は無理そうだし、サンドイッチでも買ってこようと一人で外に出る。ところが方向音痴の私。前はすぐそばにあったはずのスーパーがみつからない。しかも、なぜかグーグルマップが機能しない。雨の中をうろうろして30分以上かけてたどり着き、買い物は済ませた。が、なんと出口が入り口と反対側にあったため、もうホテルの方向がわからない。放浪の果てに部屋に戻る。遅いので夫は心配したそうだ。見つからなかったといったら「あんなに近くなのに?」と言われてしまった。後日、落ち着いていってみたら、ほんとうに五分もかからないところにあった。何を迷っていたのだろう、私。

グーグルマップが機能しなかったので、契約してあったau海外使い放題の相談窓口に電話すると、なんとジブラルタルは対象国外なんだそうだ。ええええー!ヨーロッパは全対応じゃなかったの?スペイン領内のごく小さな英国領という特別な立地のせいらしい。大ショック。前来たときは使えたような気がしたが、あれはホテル内のWi-Fiが利いていたらしい。

翌日からはバックギャモン・ジブラルタル・オープン。オープニングセレモニーでは、地元のテレビの取材でマイクを向けられる。アジア人の女性が来たというのが珍しかったのだろうね。何を聞かれたのか半分もわからんが、ジブラルタルは好きだし、スペインやポルトガルにも観光に行けるし、楽しみにしてたのよーみたいなことをむちゃくちゃな英語で話す。こんなの絶対採用されないだろうからいいや、と思っていたら、これがその日のニュースに使われたらしく、翌日、「おお、ユーはフェイマスウーマンだね!きのうのテレビに出てたよ」とスマホで動画を見せてくれる人がいてびっくりした。