ジブラルタル・タンジェ・バルセロナ旅行記 7

ジブラルタル・タンジェ・バルセロナ旅行記 7

2023年3月5日

バルセロナ三日目。朝食は七時からということなのだけれど、七時ぴったりに行くと、まだレストランに人がいない。開いてはいるので、入ってビュッフェを物色していると、ゆったりと担当者が来て「早いね?」的な感じで対応してくれる。これは毎朝そうだった。だいたい、スペイン人は朝がゆっくりで、お昼も一時過ぎからワイン付きでたっぷり食べて、夕方バルで一杯ひっかけて夕食は九時過ぎからが定番らしい。この食事サイクルに旅行者は戸惑うとガイドブックに書いてあって、まさにその通りだった。

本日は前もってサグラダファミリアに朝九時に予約を入れてある。地下鉄で移動、サグラダファミリア駅で降りると目の前に、あの、何度もテレビや写真で見たサグラダファミリアが。入り口で空港並みの荷物チェックを受ける。これはほかの施設でも割に行われていた。貴重な文化遺産だからなあ。中に入ると意外にすいている。団体客は大体十時過ぎに来るので朝早く予約していて大正解。上の塔まで行く夫はエレベーターへ、高所恐怖症の私は下に残る。一度離れちゃうと会うのが大変かと心配していたが、全然そんなことはなかった。係員がスマホで解説が聞けるのを教えてくれる。日本語なので、ありがたい。解説に沿って見学してまわっていたら、あっという間に時間が経って、夫も塔から帰ってきた。下りの階段が暗くて長くて大変だったんだって。

内部はステンドグラスが美しい。天井も芸術的。

なんか圧倒されてしまうわ。地下には建築の歴史がわかる博物館的資料やお土産屋さんもある。外には学校や司祭室なども。数えきれないほどの彫刻が建物の中にも外にもあって、どれほどの人と時間とお金が…と気が遠くなってくる。それにしても、あまりにもテレビや写真で見知ってしまったので、どこかで確認作業的な感覚があることにも気づく。じっくり見学して、ふと気が付くと周囲に人があふれている。団体客がやってきたのね。というわけで、我々は退散。

次に向かうのはグエル公園。これは午後に予約を入れてある。でも、近くまで行っておこうと歩き出す。予約チケットを取っておけば送迎バスに乗れるはずだったのが、コロナ禍で運休になってしまったんだって。最寄りの地下鉄駅からだと登り坂を長く歩きそうなのでバスに乗りたいのだが、かなり歩いてもバス停がなかなか見つからない。やっと見つけた、と思ったらすぐそこへ目的のバスが来て、乗り方がよくわからない。えいやっと開いている扉から乗る。後で気づいたら、どうも読み取り機にチケットを通さなかったらしい。でも、乗り放題のトラベルカードを持ってるから、ただ乗りにはならないんだけどね。どこで降りるかも不安だったが、運転席の上に表示が出るのでそれを見て、どうもここらしい、というバス停で降りたら大当たり。歩いたらきっと大変だったわ。よかった。

グエル公園の入り口で係員に午後からの予約なんだけど、と予約チケットを提示すると、今からでもいいよ、と通してくれる。ラッキー。グエル公園はガウディの作った公園。入ってすぐにガウディの家博物館がある。

中を見学。ガウディはここに約20年間暮らしたらしい。それから公園内を歩いていく。遠足で来ているらしき小さな子供がいたりして、かわいらしい。これが有名なグエル公園名物のトカゲ。

グエル公園を終えて、今度は駅まで歩いて坂を下り、ホテル近くまで戻る。お昼も過ぎて、お腹が空いた。到着した日にフロントで教えてもらったレストラン「カニェテ」に行くと、まだお昼の営業前だと言われる。一時にくれば入れるよ、と言われたのでいったん戻り、一時に行くと行列ができている。しばらく並んで、やっと入れる。ここのレストランがあなた、すごーくおいしかったのよ、ほんと。カウンターに座って、ガラスケースに入った海鮮の説明なんかを受けながら注文。切りたてのハモン・セラーノは絶品だし、カヴァ(スパークリングワイン)も素晴らしい。日本の出来のいいお寿司屋さんみたいだった。

いい気になって飲んじゃったので、その後はホテルの部屋でいったん沈没。ぐうぐうお昼寝して、その後もゆっくり休んでから、今夜は何を食べようかという話になる。バルセロナ名物、炭火で焼いた長ネギ料理カルソッツを食べたいということになり、ネットで検索。カタルーニャ広場近くのレストラン「シウタット・コンダル」がよさそうだ。というわけで、夕方、たらたらお散歩しながらそこを目指す。と、おお、行列ができているではないか。仕方ないので行列の最後に並んでいると、店員さんが「中に入りたいのか?外のテーブルでもいいか?」と聞いてくる。そんなに寒くないし、外でもいいよ、というと、道を渡って向こう側に並んでいる外のテーブルに案内してくれる。そうか、並んでいた人たちは店の中に座りたかったのね。でも、外のテーブルも近くにストーブが置いてあって寒くないし、むしろこっちのほうが風情がある。そこでカルソッツを食べる。

前にテレビで見たときは、もっと長ーいネギを豪快に、上を向いて手づかみで食べてたんだけど、これはちょっと上品かも。でも、やっぱり手づかみじゃないと食べられないわ。ネギは甘くておいしゅうございました。ほかにも何品か食べてお腹いっぱい。帰り道、私が道を間違えて夫に訂正されながら、ランプラス通りをぶらぶら帰る。冬だというのにアイスクリーム屋さんが出ていて人気みたい。お腹いっぱいじゃなければ、そして冬じゃなければ食べるんだけどねー。

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