ジブラルタル・タンジェ・バルセロナ旅行記 10

ジブラルタル・タンジェ・バルセロナ旅行記 10

2023年3月8日

ついに帰国の日がやってきた。チェックアウトの時、フロントの人に「タクシーを呼ぼうか?」と聞かれたが、「事前に予約してあるから大丈夫」と答える。そして、車に乗って空港を目指す。「バルセロナはどうでした?」なんてドライバーに聞かれて「美しい街だった、ずっと憧れていたんだよね」なんて話す。途中でメーターが動いていることに気づいてちょっと動揺する。送迎費用は事前に清算済みのはずなのに。「もしかして、フロントが間違えてタクシー呼んじゃったんだじゃないの?これ、予約してた送迎車じゃなくてフロントが呼んだタクシーじゃないの?だとすると、予約した送迎の人が空振りになってない?」なんてこそこそ話す。何しろ英語がからっきしなので互いに自信がない。空港に到着して、「あなた、予約した送迎の人ですよね?」と聞くと「はい、そうです」だって。ああ、よかった。言葉がおぼつかないと小さなことで不安になる。

帰りはターキッシュエアライン。イスタンブールで9時間35分のトランジット待ちがある。イスタンブールに到着するのが17時15分で、18時までに入国して空港のホテルデスクにたどり着けば、船に乗って食事してショッピングもできることになっている、のだが。飛行機の到着が遅れて、イスタンブールに着いたのがすでにデスク受付の30分前。飛行機を降り立った時点でもう25分もない。これで入国審査を通過してホテルデスクを探し当てるのは大変だ。頑張れば行けるかもしれないけれど、もう疲れてるしなあ・・・。とあきらめて、ターキッシュのラウンジで待つことにする。長いぞ。

ターキッシュエアラインのラウンジは世界一快適と言われているらしい。確かに広々しているし、様々な飲み物や軽食が所狭しと並んでいる。フリーWi-Fiも充実している・・はずなのに、なぜか夫のチケットでWi-Fiにつながらない。ま、サワキの携帯がつながってればいいさ、というんだけど。珍しいトルコ料理やおいしそうなケーキ類、アルコールもコーヒーもお茶もあるけれど、長旅のごつい西洋料理の連続にで胃が疲れ果てた我々はあんまり食欲もわかない。飛行機に乗るとすぐ機内食も出てくるだろうし。なので、ラウンジで数時間たった後に少量の軽食を取っただけ。今思うともったいないんだけどな。

永遠とも思える長い待ち時間の果てに、ようやく搭乗。だけど、なぜか夫のチケットで係員がぐずぐず言っていて、手書きでシートナンバーを書き換えられている。乗り込んでみたら、並びで取ったはずの席が離れている。なんで?とCAさんに文句を言う。なんでかわからんが、ほかの人の登場が終わった後に、夫の席は無事私の隣に動かされた。理由はわからん。あるいは説明されたのかもしれんが、我々の語学力が伴わなかっただけか。とにかく、無事、席は確保できたが、さっき夫のWi-Fiがつながらなかったのはこのチケットの不備のせいだったのかもね。

評判がいいとは聞いていたが、ターキッシュエアの機内食は素晴らしい。

珍しい料理ばかりだが、どれもとてもおいしい。とりわけ茄子の料理がいい。私は茄子好きなので、感激してしまった。堪能したわ、と思った後にメイン料理が来たのでびっくりしちゃう。お腹いっぱいだわ。ラウンジで食べなかったのはやっぱり正解。

機内では「華麗なるギャツビー」を見て、寝た。ディカプリオが主演のやつね。私、ディカプリオって童顔のとっちゃん坊やに見えてしまうんだけど、彼、イケメンと呼ばれてるのよね。私の審美眼に問題があるのだろうか・・・。

羽田に着いたのは、夜九時近く。降りると通路に大勢の係員が待ち構えていて、検疫アプリのファストトラックは登録済か、と口々に聞いてくる。ワクチン接種証明を事前にネット登録するシステムね。出国前から準備してあったので、その画面を見せると、一枚チラシをくれる。通路を歩いていくと、次々に同じことを聞かれて閉口する。荷物を受け取って、検疫も入国審査も税関もすんなり通ったからまあいいんだけどさあ。どんなに便利なシステムをつくっても、人海作戦であれだけの人を雇って「アプリ入れましたか?」ってやってたら無駄じゃん。よくわからんなあ。

空港のトイレで気が付いたこと。旅行中のトイレは、空港であろうとホテルであろうと博物館などであろうと、水を流すためのボタンが一つだけタンクの上にある、実にシンプルなものだった。羽田のトイレに入ったら、壁にはウォシュレットの操作ボタンがいくつも並んでいて、その隣には「音姫」があって、非常ボタンもあって、「いつもきれいにご使用いただいてありがとうございます」なんて貼り紙もあって、便座シート除菌剤の容器も貼ってあって、情報過多というか、過保護というか。「やかましい」と感じてしまった。

旅で気が付いたもう一つは、英語力が破滅的に劣化している、ということ。もともと上手ではなかった英語力が、長く使われなかったためにとんでもなく失われていた。自信がないと声が小さくなってもごもご言って余計伝わらない、と夫に何度か注意されたほどだ。マドリッドで搭乗口が見つからない時、必死だったからぜんぶ通じたでしょ、と夫に指摘されて、本当にそうだと思う。伝えたいという思いが強くあれば、相手もわかろうとしてくれる。だとしても、英語はなんとかしないとなあ。次回の海外旅行までに少しは精進せねば、とつくづく思った。

そんなこんなで無事に帰国できました。この長旅を企画してくれた夫にも心からありがとうを言いたい。疲れすぎないように余裕をもって観光できたのはとても良かった。このブログに長々お付き合いくださった方も、ありがとうございました。楽しい旅でした。また行きたいな。

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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