六月のぶりぶりぎっちょう

六月のぶりぶりぎっちょう

162 万城目学 文芸春秋

すごくお久しぶりの万城目さん。前に読んだのは「パーマネント神喜劇」2017年のことであるらしい。ご無沙汰しておりました。

この本には表題作の前に「三月の局騒ぎ」という短編も収められている。そして、私はこちらの方が好きだなあ。「三月の局騒ぎ」も「六月のぶりぶりぎっちょう」も、万城目さんらしく例によって歴史上の人物が登場して大活躍する。私が三月のほうを好きだと思うのは、もしかしたら女性の歴史上の人物が登場するからなのかもしれない。その登場の仕方といい、主人公への影響の与え方といい、実に気持ちよくしみじみといいのだ。作品の短さが、また効果的であるとすら思える。

「六月」のほうは、とある建物の中で、玄関から飛び出したら玄関ホールに戻っていて、何度飛び出してもホールに戻って永遠に出られないとか、七階から飛び降りたらシガールームに着地したとか、どうもロールプレイングゲームっぽい。それがまた万城目さんらしくて良い味なのだが。本能寺の変は日本史の永遠の謎だわなあ。

とにかく、万城目学、相変わらず芸風変わらないよなあ、と思いながら久しぶりの万城目ワールドに浸ったのであった。