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「小暮写真館」 宮部みゆき 講談社
心霊写真と幽霊の話から始まったので、最初の二割程度までは苦労しました。ちょっと前に心中の本を読んで、今度は心霊写真に幽霊かよ、と半ば諦め気味に読んでいたのに、途中からぜんぜん違う展開になっていって、あらら、こんな物語だったのね、いいじゃん、って最後は気持ちよく読み終えました。びっくりだわ。
宮部みゆきの現代物は、時として容赦がなさすぎて胸が痛くなるので避けたい時もあるけれど、これは大丈夫。宮部さんは意外に親子関係をテーマに持ってくるな、と改めて思いました。
垣本さんという不動産屋のお姉さんに対する社長の言葉が良かったよなあ、と夫はしみじみ言っていました。私はコゲパンと呼ばれる女の子が好きでした。というより、なんだかそれ以外の人物の顔がよく見えないままに終わってしまったように思います。ドラマ化されたというのでキャストを見たけれど、何となく違うような。でも、じゃあ、どんな人ならいいんだ、と問われても全然答えが出せない自分に気が付きました。
だからといって、気に入らなかったか、と言われるとそんなこともなく。
私は親なので、親の立ち場からやっぱり読んじゃう。子どもに何かあったら、親の責任だと感じてしまうものだよなあ、どうしても。親も子どもも、切ない。みんな幸せに頑張れ、と最後に思ったのでありました。
2013/8/24
