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「ふたりの平成」橋本治 中野翠 主婦の友社
すごく正直なところを書くと、特に得るものはなにもない、というか、途中で読みやめようと何度も思いながら、作者ふたりへの思いがあるゆえにやめられなかっただけの本だったように思う。橋本治が亡くなったことは今でも悲しいし、中野翠の本は読んだばかりだったので、このふたりが対談をしていたのなら、何を語ったのか知りたい、と思ったのだけれど。会話が、あんまり噛み合ってないのよ。互いにぜんぜん違うことを喋っている。なんだかなあ、と思う。
古い本。平成になったばかり、ふたりとも若いし。橋本治はこのころ、バブルの煽りを受けて、借金返済のために書いても書いても印税が流れていっていたはずで、そのために増産した本の中の一冊だったのだろうと思う。
中野翠がこの本の中で、上野千鶴子をこき下ろしている。その上野千鶴子が、平成に最後に東大の入学式て挨拶をして話題になるなんて、この頃の二人は知らなかったのよね。なんて考えて、時代の移り変わりを思った。それだけ。
2019/5/7