義足と歩む

義足と歩む

2021年7月24日

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「義足と歩む ルワンダに生きる日本人義肢装具士」松島恵利子 汐文社

 

夫から勧められた本。夫は椎名誠からの情報で知ったという。ルワンダ大虐殺で手や足を失った人たちのために、日本で義肢装具を学び、ルワンダに渡って義足を配布する仕事を二十年間続けているルダシングワ真美さんの話。子供向けに書かれているが、大人でも十分読みごたえのある本である。
 
ルワンダで、ツチ族とフツ族の争いによって大虐殺が起こった事は知っていた。だが、それがもとを正せばベルギーの植民地支配が発端であるとはしらなかった。そもそも、ツチ族とフツ族がどのように分類されているのかもよくわからない・・・ということを、十年近く前に何かで読んだきりだったのだ。遠い遠い国の話だとしか思えなかったのだなあ。
 
ルダシングワ真美は、語学留学中に出会ったルワンダ人のガテラ(その後の夫)からルワンダの現状を聞き、実際に現地を見て、義肢装具の必要性を感じる。そこで、日本でオーダーメイドの義肢装具を作っている親方のもとに弟子入りし、義肢装具士の修行をしてルワンダに渡る。そして、ルワンダに渡って義肢装具を一人ひとりに合わせて作り、渡し続け、ルワンダ政府にも認められ、ワンラブ・ランドという義肢製作所、ゲストハウス、レストラン、キャンプ場、職業訓練上、ホールなどを兼ね備えた施設を作るまでになる。その間、パラリンピックやアビリンピックに選手を送り込んだり、日本の学校と交流を図ったり、様々な企画を行ってもきた。
 
コロナの中、今、どうなっているのだろう、と思ったら、ごく最近、来日して椎名誠と対談したりしていたらしい。無事に帰国したらしいのだが、ワン・ラブランドのHPを見たら、今年2月に政府の強制撤去が入り、ワン・ラブランドを追い出されてしまったという。なぜそんな事になったかまだ詳細は不明だが、一日も早くもとのワンラブ・ランドに戻したい、と書かれていた。何があったのか、とても心配だが、日本に来れていたのだから真美さんはご無事である。椎名との対談を探してみようと思っている。
 
興味を持った人は、ぜひ、この本を読んでほしい。そして、自分に何ができるかを考えてほしい。

2020/8/15