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「からたちばやしのてんとうむし」かこさとし 偕成社
「うたのすきなかえるくん」は古臭くても好きになれたけど、この本はなんだか殺伐としている印象がある。
にじゅうやほしてんとうは、一番力が強くて大金持ちで意地悪で欲張りだから、みんなに嫌われている。だけど、みんな表立ってはにじゅうやほしてんとうをヨイショして、生まれた子どもを褒めそやしたりする。影ではあんな毛虫みたいなの、とか言いながら。それがバレて毛虫の前に放り投げられちゃうと、もうみんな恐ろしくて黙ってしまう。
ジャガイモアイスの食べ過ぎでにじゅうやほしてんとうの子どもが死ぬと、みんなお葬式の服を整えて、お悔やみのお金も出したりするが、また逆鱗に触れて砂地獄に落とされてあり地獄に殺されちゃうてんとうむしがいたりする。
お祭りの日にも、同じように、にじゅうやほしてんとうが大暴れするけれど、大風にみんなふっとばされてしまう。そして冬が来て、雪が積もる。春になったら、からたちばやしはまた虫達の楽しい遊び場になるでしょう・・・。
といっても、ねえ。科学的にてんとう虫の生態を描いたのだということだけれど、最後のまとめ方も含めて、なんだかしっくり来ない。お金持ちは悪いやつで意地悪という設定が前時代的だし、それにへいこらする大人たちも結局言いなりになってしかも殺されちゃうし、悪いやつであるにじゅうやほしてんとうの子どもはあっさり殺されて何の痛みも感じないし。それが現実だよ、とかこさんは言いたいのだろうか。
この本は、別に子供に読ませなくてもいいかなあ、と思ってしまった。
2015/11/16
